相 続 手 続

相続において(場合によって)必要となる各種法律手続や用語について説明します。

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平成25年9月4日最高裁決定により、「嫡出子と非嫡出子の法定相続分を同等にする」民法改正がなされ、公布・施行されました。
Q&A11 非嫡出子の相続分に関する民法改正」で改正事項について具体事例を用いてわかりやすく解説しています。

 相続とは

相続とは、亡くなった方(被相続人といいます)の財産や権利・義務について承継することです。

財産等を承継する人(相続人といいます)は、民法で定められています。

被相続人の一身に専属したものは相続財産に含まれません(民法896条)

また、祭祀財産や祭祀(祖先を祭ること)を行う権利についても相続されません (民法897条)

承継する財産は、プラスの財産もありますが、借金等のマイナス財産もあります。

 相続放棄

上記で説明したマイナス財産がプラスの財産より多かった場合は、被相続人の借金を承継することになります。

相続人は相続開始後、借金を返済する義務が生じます。

その場合、相続放棄をすることにより、借金を支払う義務を承継しないでよくなります。

相続放棄とは、文字通り相続人が相続することを放棄することで、プラスの財産もマイナスの財産も相続しないということになります。

マイナスの財産だけ放棄するということはできません

相続放棄の方法

家庭裁判所に「相続放棄申述書」という書面を家庭裁判所に提出します。

相続放棄のできる期間

自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月間の間となります。

3ヶ月を過ぎてしまうと原則、放棄ができなくなるので、注意が必要です。

 限定承認

3ヶ月と言う短い期間の間に相続財産(遺産)がプラスが多いのかマイナスが多いのか わからないことはよくあります。

相続財産がどれがそうだという調査ももちろんですが、財産の評価も短い時間では判明しないこともあります。

そういった場合に、プラスの財産のほうがマイナスの財産よりも多ければ相続するが、マイナスの財産のほうが相続しないという手続があります。

「限定承認」という手続です。

限定承認の方法

相続財産目録を作成して家庭裁判所に提出して「限定承認」をする旨を申述します。

限定承認のできる期間

相続人全員が自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月間の間となります。

相続人全員がそれぞれ異なる時期に相続の開始を知ったときには、最後に知った者が基準となり、その時点から3ヶ月以内となります。

 単純承認

自分のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月間の間に相続放棄も限定承認もしなかった場合、自動的に「単純承認」となります。

「単純承認」とは被相続人の一身に専属するもの(被相続人以外の者は権利を主張できないもの 例:生活保護の受給権、労働契約での労働者の地位等)を除き、無限に権利・義務を承継します。

単純承認の方法は家庭裁判所に書面を提出したりする手続はありません。

 遺留分

遺留分とは法律上、一定の相続人が取得することを保証されている相続財産の一定割合のことです。

例えば、Aの父Bが死んだ場合、Bには妻C(Aの母)とA以外の子でAの妹のDがいます。

法定相続分では、Cは相続分は1/2、A,Dはそれぞれ1/4となります。

しかし、Bは「Cには財産の1/2、Dには1/2を相続させる」との内容の遺言書を 作っていました。

そうすると、Aは、法定相続人(法律で定められた相続人)でありかつ子でありながら相続分を取得できません。

それではAの権利が侵害されるので民法に規定されています。

本来、法定相続分では、Cの相続分は1/2、Aは1/4、Dは1/4となります。

遺留分は法定相続分での相続財産の1/2の割合となりますから、Aの遺留分は1/4×1/2=1/8となります。

よって、Aは,遺留分減殺の権利を行使することができます。

Aは、遺留分である法定相続分の相続割合の1/2の権利を侵害された場合に減殺請求の権利を行使できます。

上記事例で、遺言書に例えば「Cは1/2Dは7/16Aは1/16を相続させる」と記載されていれば、Aは 遺留分の割合1/8(=2/16)を侵害されているので、減殺請求権を行使できます。

遺留分の減殺請求をする相手方はC及びDとなります。

そして、遺留分を侵害した割合の相続分の指定をした遺言書は当然無効ではなく、遺留分権利者が 減殺請求を行使してはじめて取り消されるものですから、遺留分権利者が(下記で説明する)行使可能期間内に減殺請求権を行使しないと、 侵害された遺留分の割合の相続財産は減殺されません。

遺留分減殺請求権の行使の方法

訴えによっても、相手方に対する意思表示によってもできます。

上記の例で、Aは、C,Dを相手にして、訴訟提起する方法、又は意思表示の通知(通常は記録が残る内容証明郵便による場合が多い)により請求権を行使します。

遺留分減殺請求権の行使できる期間

遺留分の権利者(上記例ではA)が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅します。

又相続開始から10年経過したときは、権利者が上記の事実を知らなくても権利は消滅します。(民法1042条)

 遺産分割協議

遺産分割協議とは相続人間で遺産の配分を決める協議です。

相続人間で協議が整わない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てる手続があります。

調停とは、裁判所における話し合いです。

調停でも話がまとまらない場合は審判手続きとなり、裁判官が配分を決めることになります。

※ 相続人の中で認知症の方や判断能力が不十分な方がいた場合
  →成年後見Q&A「遺産分割協議」をごらんください。

 遺言

遺言とは、被相続人が生前、自分の死後に効力を発生させる目的で遺した言葉や書面 による意思表示のことで、法律上の効果を生じるには、民法で定められた一定の方式によりされることが必要です。

遺言をしておけば原則、相続人はそれを守らなければなりません。

(例外:相続人の協議による遺産分割で遺言の指定相続分と異なる取り決めをした
  場合等)

自分の財産を自分の死後、自分の意思どおりに配分したい場合、また相続人間の遺産についての争いを防止することについても効果があると考えられます。

 相続登記

相続登記とは、相続財産のうち、不動産等、権利の存在について登記により権利を表記されている財産について、亡くなった方(被相続人)から相続人に対して名義変更(所有権移転)することです。

相続登記を行う期間

登記を行う期間について法令で定めはありません。

いつでも行うことはできます。

しかし、放置しておくと、以下のような不都合も生じることがあります。

相続登記を行わないことにより発生する不利益

1 相続登記を行う前に、また新たな相続が開始され、権利関係が複雑となる。

相続登記を行わないまま、更に新たな相続が開始されると、相続人の人数も増えて、相続財産の承継について、スムーズにいかなくなったり、時間の経過と共に、財産価額の変更(例:建物について期間経過により財産価値の減少となる)となったり(遺産分割をしていた場合に)遺産分割を再度行い、財産の調整を行わなければならなくなる場合もあります。

そして、相続人を確定する為に戸籍を調べるのですが、調査対象が膨大になり、また、古い記録が破棄されている可能性もあり、容易に確定できないことが多くあるので、時間と手数がかかる場合があります。

また相続人のうち、行方不明の者や連絡のつかない者がいる場合は、家庭裁判所に「不在者の財産管理人」の申立を行う必要がでてくる等、面倒な手続が必要になる場合もあります

例:Aさんの父親Bさんがなくなりました。
相続人はAさんの母のCさんと妹のDさんです。

その後、相続不動産に対して相続登記をしないまま、数十年が経過し、Aさんも亡くなりました。

Aさんの相続人はAさんの妻のEさんと子のFさん、Gさんです。

その後、Aさんの妹のDさんも亡くなりました。

以下、法定相続をしない場合(相続人の協議により相続財産の取り分を決める場合)のプロセスを説明します。

Aさんの相続人は、Bさんの相続財産について相続人を確定する為にDさんの相続人を調査して、その相続人及びCさんと協議しなければなりません。

勿論、Eさん、Fさん、Gさんの間の協議も必要になります。

相続人が多くなり、Bさんの死後時間も経過しているので、相続手続(調査や遺産分割協議も含む)も複雑になり、時間や費用がかかることになります。

2 遺産分割で合意した内容と異なる登記がされることの不利益

事例1 産分割協議を行って、法定相続分とは異なる分割協議となったが、(若しくは法定相続分で相続する合意をしたが、相続不動産については分割をしない旨の合意をした場合等)名義変更(登記)をせずに放置していたところ、相続人の一人が単独で法定相続分どおりの相続登記を行った。
(法定相続分による登記であれば、相続人の一人から相続人全員への名義変更となる登記をすることが可能です。)

例:Aがなくなり、Aの配偶者Yと子らB,C,Dが相続しました。
法定相続分では、Yが1/2、B,C,Dがそれぞれ、1/6づつですが、 遺産分割協議で相続不動産の相続分についてYが2/6、Bが2/6、Cが0、Dが2/6づつという合意をしました。
その後、相続登記をせずに放置していたところ、CがY,B,Dの同意を得ずに単独で法定相続分であるY1/2、B1/6、C1/6,D1/6の相続登記をして、すぐにC持分をEに売り、その名義変更の登記をしました。
この場合、Y、B,Dは遺産分割による登記をしていないため、Eに対して原則、(遺産分割協議で合意した)持分の権利を主張することができなくなります。

事例2 遺産分割協議を行って、法定相続分とは異なる分割協議となったが、(若しくは法定相続分で相続する合意をしたが、相続不動産については分割をしない旨の合意をした)名義変更(登記)をせずに放置していたところ、相続人の債権者が 法定相続分どおりの相続登記を行った。

例:Aがなくなり、Aの配偶者Yと子らB,C,Dが相続しました。
遺産分割協議でCが遺産である不動産を相続することになりました。
Cは不動産について相続登記をせずに放置していました。
そうしたところ相続人であるBの債権者(Bに金銭を貸した者)であるZ銀行が A名義である不動産について法定相続分であるY1/2、B1/6、C1/6,D1/6の相続登記をしてすぐにB持分に対して差押の登記をしました。
Bの債権者のZ銀行は、債権者代位権を行使することによりBについての登記を行うことができるのです。
(BがAからの相続による所有権移転登記を行う権利を代位行使することになり
 ます)

そうすると遺産分割協議で不動産を相続したCは、遺産分割による登記をするより前にZ銀行からB持分に対して差押登記をされた場合、Z銀行に対して自分の権利を主張できなくなります。
(不動産は全て自分の所有なので差押を取り下げろと主張できないと言うことになり
 ます)

これは「遺産分割により法定相続分と異なる権利を取得した相続人は登記を経なければその権利を第3者(ここではZ銀行)に対して主張できない」ということが最高裁判例によって示されているからです。

※ 債権者代位権とは債権者が債務者の有する権利を債務者に代わり行使することにより、債務者の財産を保全する制度です。

3 固定資産税の納付の問題

相続登記を行っていない場合、相続人のうち、一人だけ(代表者)に固定資産税の納付請求が来ることになるので、特定の一人が支払いを請求されることになります
( 遺産分割で合意した不動産所有者と代表者が異なる場合には、支払後、相続分に応じて立て替え分の返還を他の相続人に請求することになりますが、面倒です)

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