相 続 Q&A12 
遺産分割協議のやり直し(再分割)の有効性
 

相続についての法律手続やよくあるトラブルや疑問に具体事例を用いてわかりやすく解説します。

遺産分割の無効・取消し原因

遺産分割のやり直しと相続税法上の問題
遺産分割前の名義変更

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 Q12 
 私(A)の父が無くなり、母と私と妹が相続しました。
 当初、父の有価証券については私が相続することについて母(B)
 と妹(C)の同意があり、私名義に名義変更しました。
 また相続不動産については、法定相続分に基づいて、母と妹と私
 との共有で「相続」を原因とする登記をしました。
 しかし、税務署で相続税について相談したところ、私の家の相続
 の場合、母が遺産を全て取得することにした場合、「配偶者控除」
 の制度を利用すれば、大幅に節税できることがわかりました。
 一旦遺産の名義変更はしましたが、遺産分割協議を(再度)行っ
 て遺産分割のやりなおしはできますか?

           


遺産分割のやり直し(再分割協議)が可能か否か

遺産分割協議のやり直し(再分割協議)が可能かどうかについて、 相続人全員の合意があれば遺産分割協議をやり直すことは可能であるとされています。
(平成2年9月27日最高裁判決)

そして、一旦行われた遺産分割協議について「無効」や「取消し」の原因があれば、その遺産分割協議で決められた合意事項は法律上、無効か取り消しうるものとなります。

無効、取消しの場合とは、例えば、相続人の一部の者が参加せずになされた場合や相続人以外の者が相続人として参加した場合です。

また、協議参加者が意思表示の無効となる「錯誤」に陥ってなした合意や詐欺や脅迫行為がなされた場合も無効又は取り消しうるものとなります。

そして、裁判所において遺産分割協議の調停や審判が成立した場合でも相続人や利害関係人全員の合意があれば当初の分割協議の合意と異なる再分割が可能であると考えられています。

最初の遺産分割後に第3者が関係していた場合

再分割を行う場合に、第3者の利益を害する場合は、原則第3者の同意が必要となります。

例えば、Aさん,Bさん、Cさんが相続人全員で遺産分割協議をした結果、Aさんが甲不動産を取得した結果、 第3者であるDさんに甲不動産を売った場合、その後再分割協議をする場合にDさんの同意が無ければ、Dさんに売った不動産を再分割協議の遺産の対象にすることはできません。

しかし、最初の遺産分割協議が無効だった場合(相続人が参加していない分割協議や相続人と異なる人が相続人として参加した等)には、第3者にも無効を主張できます。

上記例では、Dさんに対しても甲不動産についての売買契約について(Dさんが移転登記をしていたとしても)無効を主張できることになります。

そして最初の遺産分割協議について取り消し原因があった場合に協議を取り消した場合は、取消し原因によって第3者に対して 上記無効と同様にDさんに対しても(最初の)遺産分割協議が取り消されたこと(つまり、AさんがDさんに不動産を譲渡したことについても無効となること)を主張できる場合、できない場合にわかれます。

取消し原因とは、例えば、遺産分割協議に参加した相続人が、協議するにあたって詐欺や強迫をうけて、意思表示が影響を受けた場合等です。

           

相続税法上の問題

以上述べてきたことは、法律上の問題ですが、相続税法上において、知っておかなければならない重要なことがあります。

上記で述べた「法律上の無効・取消し原因」がある場合には、無効が判明した、又は取り消した場合、最初の遺産分割はなかったものとなりますが、有効に行われた遺産分割協議をやり直した場合には、2回の遺産分割(2回の所有権の移転)が行われたことになります。

遺産の所有権が(被相続人=亡くなった人)から当初、相続により相続人であるAさんに移転され(相続税が発生)、その後再分割後にBさんに移転された場合には、所有権の移転が2回行われたことに(税法上)みなされるので、AさんからBさんに所有権が移転されたとして「贈与税等」の課税が発生します。

贈与税は相続税よりも税率が高いといわれるので、上記の(無効や取消しでない有効になされた協議の)再分割やりなおしを行って贈与と認定された場合には、(1回の遺産分割に比べて)税が倍くらいかかる計算になります。

そして、今回のAさんのケースの場合、 法定相続分どおりの(Bさん1/2、Aさん1/4、Cさん1/4)の持分で相続登記を行っているわけですから、 遺産分割協議を行い、一旦なされた相続登記と異なる持分にする場合は(例えば、A、B、Cの共有をA単独の所有とする)BさんCさんの持分の移転が贈与税等の対象となります。

遺産の所有権についての表示が登記(不動産等)や登録(自動車等)による場合、一旦相続人の特定の者又は全員に移転したとする登記や登録をした後に遺産分割を行う場合には、税法上相続税以外に課税の負担が発生しますので、(2回の所有権の移転とみなされることを)考慮に入れて、遺産分割を行うことが重要です。

           

           

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相続とは

相続とは、亡くなった方(被相続人といいます)の財産や権利・義務について承継することです。

財産等を承継する人(相続人といいます)は、民法で定められています。

被相続人の一身に専属したものは相続財産に含まれません(民法896条)

相続において(場合によって)必要となる各種法律手続や用語については「相続手続」をご覧下さい。

相続の流れについては「相続の流れ」をご覧下さい。

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