[消滅時効Q&A8 保証人の主債務の消滅時効の援用]

 

消滅時効Q&A>Q&A8

 消滅時効とは

消滅時効とは一定期間、権利が行使されないと権利が消滅する民法で定められている制度です

貸金業者から借入をし、最後に返済したとき又は最後に借入をしたとき(どちらか遅いときから)5年以上経過した場合は消滅時効が完成している可能性があります

最後の返済又は最後の借入から5年以上経過していて、その間に「時効の中断」となるような事実がない限り、 消滅時効が完成することになります。

消滅時効の正確な起算点は下記を参照ください。

原則、貸付け金の請求権の消滅時効の起算点は、支払期日(正確にはその翌日)となります。

リボルビング取引の場合には、「期限の利益喪失(貸付金を一括で返済しなければならなくなること)の日」を定めている場合が多く、その期日の翌日が消滅時効の起算点となります。

※リボルビング取引とは予め締結する基本契約(包括契約)において、貸付金利、貸付限度額、返済方式等の基本事項を定めておき、それに従って、借入と 返済を繰り返す貸付形態

「時効の中断」とは訴訟を提起されたり、自分が債務を承認(借入のあることを認めること)したり、(残額の一部を弁済したりすることも承認となります)強制執行(差押)されたりすることになります。

もし、5年以上借入も返済もしていない場合で、貸金業者から、請求されたり、訴訟を提起されたりした場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。

※ 個人間の貸借のように「商人や会社でない者が当事者となる貸借」の場合は民事債権となり、消滅時効期間は10年となります。(民法167条)

※ 信用金庫、信用組合、農協、漁協、商工中金、労働金庫等は会社や商人
 ではなく「非営利法人」ですので、原則消滅時効の期間は10年となります。
 但し、債務者が個人事業主や中小企業で借り入れ目的が「事業資金」等
 事業目的の場合は「商事債務」となりますので、商事債権の時効期間と
 なり、10年となります。

消滅時効が完成している場合は、消滅時効を援用することにより、簡単に言うと借金が無くなるということになります。
{貸金業者が自ら有する債権(貸金を請求する権利)の権利を行使できなくなるということになります}

時効の援用とは
時効の援用とは、時効によって利益を受ける者が(援用権者)が時効の成立を主張すること。
時効による権利の取得・消滅は期間の経過により自動的に発生するものではなく、援用があってはじめて確定的に取得の権利が生じたり、権利が消滅する。

  

   消滅時効Q&A8 
保証人の主債務の消滅時効の援用

消滅時効に対してよくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。

      

Q8   私(A)は、知人BがZ銀行から融資を受ける際に頼まれてBの保証
     人になりました。
     Bの返済方法は毎月の分割です。
     Bは最初のうちは払っていたのですが、だんだん払わなくなりまし
     た。
     私は、Bの保証人として(Z銀行との間で保証債務の分割の弁済の
     約束を交わして)毎月Z銀行に支払いをしています。
     そのうち、Bが返済をしなくなって消滅時効の期間が経過したらB
     の債務は消滅時効により消滅するのでしょうか?

A8

 

BさんがZ銀行から借りた金銭(債務)について、AさんがZ銀行との間で保証契約を締結し(Bさんの債務返済を)保証する場合、Bさんの債務を主債務、Aさんの債務を保証債務といいます。

主債務が弁済等により消滅した場合、保証債務も消滅します。
(保証債務の付従性といいます)

主債務が消滅時効の期間経過により、消滅した場合も同様です。

具体例

Aさんの事例で、具体的に説明します。

Bさんが支払期日に返済をしないで、消滅時効の期間が開始されたのが平成20年5月31日だとします。

その間、時効の中断に該当する事由がなかった場合、Bさんの債務である主債務は平成25年5月31日に消滅時効が完成します。

そして、その翌日以降Aさんが主債務の消滅時効の「援用」をすれば、主債務は消滅します。
(保証人は主債務の消滅時効の援用をすることができます。
 大正4年7月13日大審院判例)

主債務が消滅することにより保証債務も消滅するのでAさんは返済義務はなくなります。

Aさんが保証債務の弁済を行っていた場合はどうなるのでしょう?

例えば、上記事例でAさんが平成24年から保証債務を毎月弁済し、最後の弁済が平成28年5月31日だったとします。(その後、弁済していないとします)

そうした場合、Aさんの保証債務の消滅時効の期間が開始されるのは、(Z銀行とAさんの間で取り決めた分割の約束で「毎月末の弁済期日に1回でも不履行があれば、その日から債務の全額を弁済する義務を負う」と交わしていたとすれば、次回の弁済期日である6月30日に弁済がなければ)同年6月30日が消滅時効の起算点となります。

{消滅時効の期間開始の日は7月1日となります。(民法140条)
詳しくは「消滅時効の期間計算 」をご覧下さい。

そして時効中断事由がないまま期間が経過すると
(期間満了日は民法143条2項により6月30日となります}
平成33年7月1日から消滅時効が完成したことを主張できます。

(Aさんの債務は商人である銀行との保証契約なので商事債権となり消滅時効の期間は5年間となります。
よって平成28年の5年後の33年となります。
余談ですが、信用金庫は商人ではないのでご注意下さい)

つまりそのときまで保証債務の消滅時効の援用をできないと言うことになります。

その場合、消滅時効の完成している主債務の消滅を主張できるのでしょうか?

つまり保証債務の消滅時効の中断は主債務に影響を与えるのかという問題です。

この問題の答えは民法148条に定められています。

民法148条
「前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。」

つまり、保証債務における時効の中断はAさんとZ銀行との間においてのみ効力を有することであり、BさんとZ銀行との間の主債務には影響しないと言うことです。

{上記の定めの特則として主債務に消滅時効の中断があった場合は保証債務も中断となるので注意してください。
(民法457条1項)
主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。}

つまり、Bさんの主債務の消滅時効は完成しているし、Aさんは主債務の消滅時効の援用をできるので、援用して主債務を消滅することができ、その結果Aさんの保証債務も消滅するということになります。

※ 個人間の貸借のように「商人や会社でない者が当事者となる貸借」の場合は民事債権となり、消滅時効期間は10年となります。(民法167条)

※ 信用金庫、信用組合、農協、漁協、商工中金、労働金庫等は会社や商人
 ではなく「非営利法人」ですので、原則消滅時効の期間は10年となります。
 但し、債務者が個人事業主や中小企業で借り入れ目的が「事業資金」等
 事業目的の場合は「商事債務」となりますので、商事債権の時効期間と
 なり、10年となります。

上記の事例でBとAが親子であり、Bの死亡によりAがBを相続した場合どうなるのか?についてはQ&A9で説明しています。

また、主債務と保証債務の消滅時効について詳しく解説している債権回収サイトQ&A14「主債務と保証債務の消滅時効」も是非、ご覧下さい。

             

           

           

           

           

   消滅時効詳細

消滅時効について、更に詳しく知りたい方は、当事務所債務整理専門サイトの「消滅時効 解説」をご覧下さい

           

 会話形式でわかりやすく解説しています。
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