相談事例2 時効の更新  

           

消滅時効2
消滅時効が更新されていた場合の司法書士の経験談

更新されたその後の消滅時効の主張
※消滅時効とは一定期間の経過により権利(債務)が消滅する法律の制度です。

※消滅時効の更新とは時効期間が進行中に、ある状態が生じた場合に時効期間がリセットされ、再びゼロからスタートすることになることです。

一般的に債権(貸金、債務者側からみると債務)の消滅時効は原則5年ですが、裁判で判決を取られると判決確定の時から10年となります。(民法147条)

また、「時効の更新」と言って時効の期間の進行中にある状態が生じた場合に時効期間がリセットされ、再びスタート時点に戻ることがあります。
例えば、借金の消滅時効の期間が完成する5年になる少し前に裁判が提起された場合、消滅時効の更新となり、判決確定時から再び時効が進行します。

判決確定による更新した時効期間(10年)が完成する前に、時効の更新事由である「差押」が行われた場合は、さらに時効の更新となります。
差押の消滅時効期間自体は、10年という規定はないので、原則に戻り5年となります。
しかし、判決確定後の時効期間内に差押が行われた場合、更新となり、何年の時効となるのか(5年か10年か)については、争いがあります。
現時点でこの問題について示した判例は、大阪地方裁判所平成10年9月24日がありますが、その判決では、10年の時効期間となると判示されました。

以上前置きです。

私が最近扱ったのは、


 判決確定後10年内に差押えがされたが5年以上10年未満の時間経過があった案件

 判決確定後10年経過してから、差押えがされているが、その差押えの日から5年が経過していない案件でした。

Aについては、差押えがされた日から10年経過しないと消滅時効が完成しないので、現在、動いていません。
Bについて時系列で簡単に説明すると、

平成18年 判決確定

平成28年 消滅時効期間(10年)が経過しているので消滅時効完成だが、時効援用をしていない。

平成31年 差押え

本来は、差押えされた時点で「請求異議の訴え」という裁判手続きで、「この借金について消滅時効を主張します 消滅時効で借金はなくなるのでこの差押えは有効ではないですよ」と主張して裁判所が消滅時効を認める判決を出した場合は、差押え自体が有効でないとされ、消滅時効の更新とならないことが確定されたはずの事案でした。

実際には上記手続きが行われていないので、そのまま「消滅時効の援用(時効である旨を主張すること)の通知」を債権者に送ったら、「差押えから5年内なので、時効が更新されている(時効は完成していない→支払いなさい)」と反論される可能性がありました。

その場合は、「請求異議の訴え」を提起して、過去の差押えについてその差押えは有効でない旨の判決を取り、消滅時効の援用をする予定でした。
しかし、消滅時効援用の通知後に債権者からの反応はありませんでした。

争ってこなかったのは、上記差押えの有効性について、「争った場合に有効と認められない可能性が高いので消滅時効更新の主張ができないだろう」と判断したと推察されます。

(上記の説明文のなかで「更新」という用語を使ってますが、これは、令和2年4月1日民法改正で出てきた新しい言葉なので、改正前の事案については、旧用語の「中断」を使用するのが本来ですが、複雑でわかりにくくならないようにあえて新しい用語の「更新」を使っています。)

消滅時効完成後に強制執行が取られた場合の事案について消滅時効Q&A6にて詳しく説明しています。 皆様の中に、昔の借金について請求されている方がいたら、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。良い方向に向かうことができる可能性があります。

突然訴えられた、裁判所から訴状が来た。その場合どうするべきか?「訴えられた」でどうするべきか説明しています。

相談事例

相談事例1 裁判所から訴状が来た 訴えられた

裁判所から自分宛てに書面が来ても封をあけずにそのまま放置してしまうと、最悪の場合、負わなくてもよい負担を背負ってしまうこともあります。
必ず内容を確認しましょう。

消滅時効により解決できることが多くあります。

詳しくは「相談事例1」をご覧ください。

相談事例2 消滅時効の更新

消滅時効が更新されていたが、その後の時効完成後に更に時効の更新があった。
司法書士の消滅時効主張により解決できた経験談です。

詳しくは「相談事例2」をご覧ください。

貸金業者から請求された場合

請求されても消滅時効が完成している場合に、相手の請求を認めてしまうと、相手の権利が有効な権利として確定します。判決や和解が確定してから「実は、消滅時効の主張ができることが後に判明した」と主張しても確定した請求権をひっくり返すことはできなくなります。

できる限り専門家に相談してください。

裁判手続きでは、(法律の専門家ではない場合)自己の主張自体が自分にとって不利になる場合(言わなくても良いこと(自己に不利になること)まで言ったり、不利になるということがわからず何でも正直に言ったり)や自分にとって有利になる主張ができるのにその主張が存在すること自体わからない、または訴訟上でその主張をどういって主張したら良いかわからず主張できない、又は間違った(事実と異なる)主張になってしまうことがよくあります。
そして(自分に有利な事実を)自分が主張できなかった、不利になる主張をしたまたは誤った主張をしてしまっても裁判官・書記官はもちろん誰も指摘してくれたり、アドバイスをくれたり助けてくれません。
そして自分に不利な結果が確定してしまうと原則、覆すことはできません。
背負わなくてもよかった借金をこの先払い続けなければなりません。
裁判を起こされた場合、裁判にどう対応するかによりその後の人生が変わってきます。
できる限り、お近くの専門家にご相談ください。

 

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